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皆さんこんにちは!
有限会社篭原左官店、更新担当の富山です。
目次
今回は、左官工事に欠かせない**「道具」と「材料」**について、詳しく解説していきます。
一見すると「壁を塗るだけの仕事」に見られがちな左官工事ですが、
実際は、職人の繊細な技術と、それを支える専門道具の数々が揃ってこそ成り立つ世界なんです。
左官といえばコテ。
塗る・均す・模様をつけるなど、作業のすべてを担う、**まさに“職人の右腕”**です。
ステンレスコテ:
なめらかな仕上げに向いており、最終工程で使用することが多いです。
サビに強く、扱いやすいため、現場では最もよく使われるタイプです。
木コテ:
吸水性があるため、水分の多い下地に使うのに適しており、
土壁や漆喰などの伝統素材に相性抜群です。
ゴムコテ:
柔らかくて弾力があり、デリケートな模様づけや目地詰めに適しています。
特に最近人気のデザイン仕上げやアート左官には欠かせない存在です。
🔍 豆知識:
コテの厚さ、曲がり具合、長さは職人ごとにこだわりがあり、自分専用のカスタム品を使う人も多いんです。
セメントや砂、水などを混ぜて均一な左官材を作るのがモルタルミキサー。
手練りでは難しい大量の材料も、短時間でムラなく練ることができ、仕上がり品質の安定に貢献します。
小型・大型・縦型・横型など、作業内容や現場の規模に合わせた選択が重要です。
壁を塗り終わった後に使われるのが、細部の質感や模様を演出する道具たちです。
スポンジ:濡れた面を軽くたたいたり拭いたりして、自然な風合いを演出
刷毛(はけ):表面の整えや刷毛目模様を付けるのに使われます
櫛(くし)引き道具:細かいラインや意匠模様をつけるときに使用
✨ これらの道具は“職人の個性”が光る部分。
使い方ひとつで、まったく違った表情の壁に仕上がるのが左官の面白さです。
左官材は、それぞれの建物の用途・仕上がり・環境に応じて使い分けられます。
漆喰は、石灰を主成分とする自然素材の高級左官材です。
調湿性・抗菌性・防カビ性に優れ、和風建築や蔵、現代のエコ住宅にも多用されています。
白く美しい仕上がりと、時間とともに風合いが増すのが魅力。
また、漆喰を使ったアート左官も人気です。
セメント・砂・水を混ぜて作るモルタルは、強度と耐久性に優れた汎用材。
下地調整から最終仕上げまで幅広く使われ、外壁・基礎・床・ブロック積みなどにも活用されています。
乾燥が早く扱いやすいため、近代建築には欠かせない材料のひとつです。
調湿・消臭効果が高く、室内の空気を快適に保つことができる珪藻土。
主に室内の壁に使用され、自然派志向の住宅に人気の素材です。
色やテクスチャーのバリエーションも豊富で、デザイン性と機能性を兼ね備えています。
昔ながらの日本家屋や町屋、古民家などで使われる土壁。
藁すさや砂などを混ぜ、土の持つ「柔らかさ」「暖かみ」「呼吸性」が魅力です。
施工には高度な技術と時間が必要ですが、独特の温もりと風情を感じさせてくれる素材です。
左官工事は「塗る」というシンプルな作業のようでいて、
実はその裏に**“素材の特性を読み、道具を操る”奥深い世界**があります。
道具=職人の延長。繊細な手仕事を助ける相棒
材料=建物の“呼吸”。空気とともに暮らしを整える
だからこそ、仕上がった壁には職人の技術と心が映し出されるのです。
**「左官工事の魅力と多様なデザイン」**をテーマに、
仕上げ方法の種類や、現代建築で注目されている“デザイン左官”についてご紹介します!
土と道具が創り出す、芸術的な空間――どうぞお楽しみに!