-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー

皆さんこんにちは!
有限会社篭原左官店、更新担当の富山です。
左官工事というと「職人が壁を塗る仕事」というイメージが先行しがちですが、実はこの仕事、**“機能性”と“芸術性”の両方を兼ね備えた空間づくりのプロフェッショナル”**なんです。
現代の建築やインテリアにおいて、左官仕上げは“空間デザインの要”として再評価されています。今回は、そんな左官工事の魅力と多彩なデザインの世界をご紹介します!
漆喰や土壁を使った和風の仕上げは、日本家屋や古民家、茶室などでよく見られます。
職人の手で丁寧に塗られた壁は、見た目だけでなく、心地よい湿度・空気感をもたらします。
漆喰の白がもたらす「静寂と上品さ」
土壁の持つ「素朴で温かい風合い」
これらは、現代住宅やホテルの内装にも多く取り入れられ、和モダンな空間演出に大きく貢献しています。
最近では、カフェ・美容室・コワーキングスペースなどでも**“左官仕上げの壁”がトレンドに。
無機質でフラットな仕上げとは違い、“手の温もり”や“表情”が感じられる壁**は、訪れる人の心を引きつけます。
珪藻土やカラーモルタルを使ったナチュラル仕上げ
コンクリート調やグレージュ系のインダストリアルデザイン
一点一点異なる模様で、世界にひとつだけの空間を演出
店舗のブランディングや住宅のアクセントウォールとしても、人気が高まっています。
左官の魅力の一つに、「模様・質感・表現の自由度」があります。
砂壁・貝殻入りモルタルなどの自然素材系仕上げ
**磨き仕上げ(カルチャート)**で大理石のような光沢を出す技法
光や陰影を活かした立体的な模様仕上げ
左官は、いまや“壁に描く芸術”とも言われるほど。海外からも注目されており、デザイナーズホテルやリゾート施設の内装にも多く使われています。
刷毛やコテを使って、ランダムに動きをつけた仕上げは、自然で優しい印象を与えます。
光の当たり方によって陰影が変化し、時間帯によって違った表情を見せてくれます。
無駄を削ぎ落としたようなシンプルで滑らかな仕上がりは、現代的な空間にマッチ。
オフィスやギャラリー、ラグジュアリーホテルでよく採用されます。
カラーはグレー・アイボリー・ベージュなど、マットで深みのある色味が人気です。
色を重ねて“にじみ”や“ぼかし”を表現することで、自然石のような重厚感を出せる手法です。
ヨーロッパの伝統技術「スタッコ」もこの一種で、高級レストランや邸宅の内装仕上げにぴったりです。
スタンプや専用の型を押し当てて模様をつける仕上げ方法。
ロゴマークや文字を入れたり、タイル調・木目調などの型取り模様で演出することもできます。
店舗のサイン壁や、子ども部屋のアクセントに大人気の技術です。
左官仕上げは、すべてが職人の手作業。
塗る方向、力の入れ方、気温や湿度によって微妙に仕上がりが変わります。
だからこそ、**同じものはふたつとない「一点物の空間」**が生まれるのです。
漆喰・珪藻土・土壁といった自然素材には、調湿性・脱臭性・断熱性といった機能も。
夏は湿気を吸い、冬は乾燥を防ぐなど、**快適な室内環境を整えてくれる“呼吸する壁”**として注目されています。
しっかり施工された左官壁は、年月と共に味わいが増す素材でもあります。
劣化が少なく、部分補修も可能で、何十年も美しさを保つことができるのが特徴です。
左官は、ただ壁を塗るだけの作業ではありません。
そこには、素材と道具、職人の手仕事が融合した「アート」とも言える仕事が息づいています。
和風からモダン、アート空間まで多様なデザイン
機能性と美しさを両立した空間演出
手仕事ならではの温もりと唯一無二の存在感
「壁」一つで、こんなにも空間の印象が変わる――
そんな左官工事の奥深い世界を、ぜひ体感してみてください。
次回もお楽しみに!
皆さんこんにちは!
有限会社篭原左官店、更新担当の富山です。
今回は、左官工事に欠かせない**「道具」と「材料」**について、詳しく解説していきます。
一見すると「壁を塗るだけの仕事」に見られがちな左官工事ですが、
実際は、職人の繊細な技術と、それを支える専門道具の数々が揃ってこそ成り立つ世界なんです。
左官といえばコテ。
塗る・均す・模様をつけるなど、作業のすべてを担う、**まさに“職人の右腕”**です。
ステンレスコテ:
なめらかな仕上げに向いており、最終工程で使用することが多いです。
サビに強く、扱いやすいため、現場では最もよく使われるタイプです。
木コテ:
吸水性があるため、水分の多い下地に使うのに適しており、
土壁や漆喰などの伝統素材に相性抜群です。
ゴムコテ:
柔らかくて弾力があり、デリケートな模様づけや目地詰めに適しています。
特に最近人気のデザイン仕上げやアート左官には欠かせない存在です。
🔍 豆知識:
コテの厚さ、曲がり具合、長さは職人ごとにこだわりがあり、自分専用のカスタム品を使う人も多いんです。
セメントや砂、水などを混ぜて均一な左官材を作るのがモルタルミキサー。
手練りでは難しい大量の材料も、短時間でムラなく練ることができ、仕上がり品質の安定に貢献します。
小型・大型・縦型・横型など、作業内容や現場の規模に合わせた選択が重要です。
壁を塗り終わった後に使われるのが、細部の質感や模様を演出する道具たちです。
スポンジ:濡れた面を軽くたたいたり拭いたりして、自然な風合いを演出
刷毛(はけ):表面の整えや刷毛目模様を付けるのに使われます
櫛(くし)引き道具:細かいラインや意匠模様をつけるときに使用
✨ これらの道具は“職人の個性”が光る部分。
使い方ひとつで、まったく違った表情の壁に仕上がるのが左官の面白さです。
左官材は、それぞれの建物の用途・仕上がり・環境に応じて使い分けられます。
漆喰は、石灰を主成分とする自然素材の高級左官材です。
調湿性・抗菌性・防カビ性に優れ、和風建築や蔵、現代のエコ住宅にも多用されています。
白く美しい仕上がりと、時間とともに風合いが増すのが魅力。
また、漆喰を使ったアート左官も人気です。
セメント・砂・水を混ぜて作るモルタルは、強度と耐久性に優れた汎用材。
下地調整から最終仕上げまで幅広く使われ、外壁・基礎・床・ブロック積みなどにも活用されています。
乾燥が早く扱いやすいため、近代建築には欠かせない材料のひとつです。
調湿・消臭効果が高く、室内の空気を快適に保つことができる珪藻土。
主に室内の壁に使用され、自然派志向の住宅に人気の素材です。
色やテクスチャーのバリエーションも豊富で、デザイン性と機能性を兼ね備えています。
昔ながらの日本家屋や町屋、古民家などで使われる土壁。
藁すさや砂などを混ぜ、土の持つ「柔らかさ」「暖かみ」「呼吸性」が魅力です。
施工には高度な技術と時間が必要ですが、独特の温もりと風情を感じさせてくれる素材です。
左官工事は「塗る」というシンプルな作業のようでいて、
実はその裏に**“素材の特性を読み、道具を操る”奥深い世界**があります。
道具=職人の延長。繊細な手仕事を助ける相棒
材料=建物の“呼吸”。空気とともに暮らしを整える
だからこそ、仕上がった壁には職人の技術と心が映し出されるのです。
**「左官工事の魅力と多様なデザイン」**をテーマに、
仕上げ方法の種類や、現代建築で注目されている“デザイン左官”についてご紹介します!
土と道具が創り出す、芸術的な空間――どうぞお楽しみに!